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ギリギリセーフの父島・母島行(シリーズ1)

大自然に抱かれて全人的機能が賦活(1/4)

 出発日2014年12月21日は、日本全国がスッポリ入る大型低気圧で悪天候。12月の海が荒れる事は想定内。H.Kさん、N.Kさんと私の3名以外の8名が船酔いで、夕・朝食は欠席。でも小笠原丸は強かった。ローリング、ピッチングを繰り返しながら時折大波に体当たりするドーン音を響かせ、Cデッキ(3階相当)まで立ち上る波しぶきが船室の窓を洗って視界を良くした。また夜間は夜目にも白く浮き上る白波が、船尾で尾を引きながら25時間半で父島二見港に着岸。
 父島三泊お世話になる「ホテルホライズン」の方々に、スーツケース等大きな荷物を直接ホテルに運んでいただくためにお預けし、昼食へ。船客待合所を出て徒歩3分の距離だったが、雨のため本日から島内ガイドをしてくださる「ボニンブルーシマ」の島田克己・律子ご夫妻の車2台に分乗し「ぼう家」へ。島寿司、刺身等新鮮な食材で体が生き返る。船客待合所へ徒歩で戻る頃は雨も小降りとなり、清々しい空気に包まれ、島の空気の清浄さを感じる。待合所で島田さんから島の生態系等のレクチャーを受け、島内観光に出発。最初に行った長崎展望台から覗き込んだ海の色が美しく、その透明感に皆驚嘆。船酔いを忘れ、翌日の海の1日観光時、海に入る事を選択する人も。各所を回った中、私が最も嬉しかったのは、予定には無かったコペペ海岸へ行き最も長い時間を過せたこと(コペペは珊瑚観察最適地、素足で泳げる小港海岸とは峠越えで陸路徒歩30分。従って両海岸を行き来し、陸から海に入るスケジュールを作ったが、峠道が崩壊しているとの事で、予定に入れなかった所だったので)。島田氏によると道は通じているとのこと。ここでは主に海岸林(ハスノハギリ、オオハマボウ、モモタマナ等)の説明を受けた。ヤシの実のみならず、海を渡る術を持ち、植生を広げる彼らの種のしくみが興味深かった。
 翌日は晴れ(高曇り)、父島周辺の海を巡り、兄島海域公園でシュノーケリングを楽しむ人、水中眼鏡を覗く人、海面を凝視する人、それぞれ南の海の魚を観察した。場所を移しザトウクジラを追って海上を縦横無尽に走行する船上から全員ひたすら“潮吹き”発見に努めた。胸ビレで水面を叩く、尾ビレを跳ね上げる、二頭が並走し、海のうねりにも似た動きをする背中、等々を見せるクジラの動きを観照。
 この2日間、私たちはまず新鮮な魚を食べて(味覚)生き返り、山海の自然に目を凝らし(視覚)、雄大な視界に視野を広げ、揺れる船内でバランスを取り往路復路で近づいた南島はじめ幾多の島々や岩頭を見ながらその形状を賞で、ストーリーを作り等々、日常には無い周囲環境に対応すべく自身の持てる身体全ての機能を自然に駆使するうちに、その全てを賦活させられた感あり。人の能力は繰り返しの体験で発達する。また、眼で見てハッキリ脳に刻んだ色や形、その大きさ小ささは、写真では表現出来てはいない。中でも、ザトウクジラが眼前でブリーチング(海面上に全身を垂直に表す行為)した時の一部始終は今でも脳裏にハッキリ再現できるが、写真ではシャッターを切った時点と画像が記録された時との瞬時の差で、写っていたのは大きな飛沫だけだった事から、ヒトの持つ五感や運動機能がいかに文明の利器より優れているかの再認識をした。
( 写真のコメント)
1:東京タワーとスカイツリーの見える東京湾を後にして 2:長崎展望台(35m)からのぞき見た長崎
3:見ているうちにお椀が上を向いた国立天文台VERA小笠原観測局の電波望遠鏡
4:アダンに似た実をつけているタコの木 5:「タコ」の名の元となるタコの木の気根 6:中央山山頂(319m)
7:鳥の巣発見 8:コペペ海岸(シュノーケリングで珊瑚、魚と戯れる) 9: コペペ海岸から見た波に洗われる岩
10:ハスノハギリ(ハマギリ)ハスノハギリ科 11:ハスノハギリの実(海水に浮び移動)
12:ハスノハギリの実(浮きの部分をむくと種が出てくる) 13:海上保安庁の船(日中) 14:海上保安庁の船(夜間) 15:カツオ鳥 16:千尋岩(通称ハートロック) 17:枕状溶岩 18:海の上から見えた魚
19:シュノーケリング 20:ナマコ見つけた21:海の中の魚と珊瑚 22:面白い島見っけ(象さん)
23:面白い岩見っけ(父は空を見上げ子は風を起し、魚は喰い争う) 24:面白い岩見っけ(ローソク岩)
25:面白い岩見っけ(ローソク岩と命名されている岩)
26:ザトウクジラ(胸ビレ) 27:ザトウクジラ(尾ビレ)

(パソコンによってダウンロードに時間がかかることがあります)

 とっておきの瞬間(写真をクリックすると大きくなります)


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